レーザーメイト

前職では、カラオケに関係していたので、カラオケ黎明期のLD(レーザーディスク)時代から知っている。カラオケは8トラからスタートし日本にカラオケブームをもたらし、パイオニアが30cm規格のレーザーディスクを開発してVHDと覇を争い、故障の少なさから市場を制圧して、カラオケといえばLDの時代を作った。振り返って見ると、パイオニアの勝利した規格はLDだけに終わった。
レーザーメイトというのはソフト会社東映ビデオが製作したカラオケ映像に楽曲を合わせて発売したものである。ちなみに入社の際社長から「今からカラオケはLDの時代になるから」と、そのLDを再生してもらった記憶がある。世はバブルで夜の世界でのレンタルでカラオケ業界は第一次の隆盛期を迎え、盤を挿入すれば100kg超のオートチャンジャーなるもの出現し、セットで300万円くらいのものがバンバン売れていたと思う。今から思えば効率の悪い商品で、設置するだけでも半日以上かかることもざらで、よくやっていたなと感心する。時代は流れ景気も失速し、誰が見ても置き場所に困る代物になってしまったLDカラオケ一式は、新しいメディアに変わろうとしていた。
ここでパイオニアの失敗の歴史が始まるのだが、そのことについてはまた機会があったら書こうと思う。
当時東映のレーザーメイトは他社と比較して映像会社が制作するLDとして人気を博していた。その商品も前述したように新しいメディアに浸食され淘汰されていく運命をたどった。そうするとレンタルしていた商品は必然と会社に返却されてくるわけで、倉庫に保管されることとなる。当時はネットでの商売がまだなかったので、結局そのまま眠ることになった。

その残りを、歴史的遺産として譲り受けてきたわけ。LDのハードがあるうちになんとかデジタル化しておこうと、ずっと胸に秘めていたのを今年になって環境が整ったのでコピーして保存している。たちまちLDをDVDにすることからはじめ、ネット上で保存し、いつでも見られるようにはしたい。その点インターネットの発達は廉価で可能にしてくれるので、ありがたい。

ついでにデータベースとWeb技術を学び自分なりの表現世界を作るのが今からのライフワークだ。自分の好きなことを見いだしてわくわくしている。息子たちにも自分のできることとして伝承できればと密かに思っている。